ピー(精霊)のグループ


タイ社会には精霊、悪霊などの非常に広い範囲の超自然的存在を総称するピーという概念があるが、これはタイ人が仏教やバラモン教を受け入れる以前から持っていた伝統的概念だと考えれている。

・祖霊(ピー・バンパルット)
親族組織に関係したピー
祖先の霊は一定期間この世の周辺に留まり子孫の安寧と福祉を守っていると考えられている。子孫によって日常的に祀られている。
・土地神
地縁組織に関係したピー
タイ社会ではどこへ行っても各戸ごとにサーン・プラプームと呼ばれる小さな祠が建っている。また土地の守護神(チャオ・ティ)の祠がある。
・自然物のピー
自然界のほとんどあらゆるものにはピーが存在していると考えられている。これらの精霊がある特定の場所や物の主のようになればチャオ(神)という呼称が与えられる。

・悪霊
@異常な死に方をした人の悪霊
異常な死に方をした人の霊魂は祖霊とはならず、いつまでもこの世に残って人々に危害を及ぼすと考えれレている。たとえば産褥で死んだ女性の霊魂はピー・プライという悪霊になるとされ、誰かれかまわず危害を加えると恐れられている。
A異常な欲望を持つピー
たとえばピー・カスーは醜い老婆の姿をした悪霊で人間の肉、それも頭と内臓を好んで食べるという。深夜に人間の排泄物を求めて徘徊すると考えられている。
B自然現象と関係した悪霊
たとえば夜中、水のところにある鬼火としてあらわれるピーは旅人の行く手を迷わせると考えれれている。


ピーに関係する宗教的専門家、つまり呪術者には以下の2種類がある。
・呪医(モー・ピー)
呪術的技術を使ってピーを統御する。
・依代(コン・ソン)
祖霊などに憑依されることによってピーを統御する。



 クワン(生霊)のグループ)


・人のクワン(生霊)
タイには生まれたばかりの子供はピーの子供であるという民族信仰がある。つまりピーが自分の姿に似せて型どった粘土が母親の胎内入ることによって妊娠すると考えれれている。
赤ん坊は生まれて三日目まではピーの子、四日目になって人間の子供になると考えられている。生まれてすぐ死ぬ子はピーが連れ去った考えられている。従って親は子供に、蛙、犬、鳥、水牛といったニックネームをつけてピーの目を欺こうとする。
・稲のクワン
もっとも重要な穀物である稲にはメー・ポーソープという穀母が宿っていると考えられている。このクワンが丈夫に育てば良い収穫が得られると考えられている。

@初期儀礼(ピー。レーク・ナー)
田おこしを開始するにあたって農民は田の畦に簡単な祠をつくり、稲の穀母、土地の精霊(メー・トラミー)土地神(プラプーム・チャオ・ティー)の三柱の神に供物を与え豊作を祈願する。

A収穫時の儀礼(タム・クワン・カーウ)
稲の穂が出そろったところで穀母に飯、バナナ、ミカン、の他、香水、おしろい、櫛などの化粧道具を供え、稲の熟成を祈願する。

B脱穀場での儀礼(チェーン・クワン・カーウ)
脱穀のために稲束を運びこんで村の広場に積み上げた後で落穂を使って、穀母の人形を作りそのクワンを招請する。

家畜のクワン
水牛や馬、象といった家畜にも人間と同様、32のクワンが宿っていると考えられている。農繁期の耕作を終わったところで衰弱した水牛のクワン強化のためにタム・クワンをおこなう。

家・乗り物のクワン
家を新築する時、最初に建てる支柱はサーウ・クワンと呼ばれタム・クワンしなければならない。




   



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